今年も残りわずかとなってきました。一年を振り返り新年に向けて目標を立てる前に認定看護師を目指したきっかけを少しお話したいと思います。
看護学生時代は、12神経を語呂合わせで何とか覚えることができたぐらい脳神経分野が苦手で、できれば避けていきたいとも思っていました。そんな私が就職して配属されたのが脳神経外科病棟でした。覚えることも多く毎日の業務に追われる日々を過ごしていました。
しかし、看護師1年目の冬の頃に出会った患者さんが看護とは何かを考えるきっかけを与えてくれました。その患者さんは、1日をベッド上で過ごし、発語もなく表情を読み取ることも困難な状態でした。なぜそうしたのかは覚えていませんが、車椅子への移乗を試みました。患者さんは、目を開け、辺りを見渡すように視線を動かし、私には笑ったように見えました。その変化が嬉しく思うと同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。この出会いが、脳卒中看護に興味を持ったきっかけになりました。
現在、認定看護分野は21分野になります。2010年に「脳卒中リハビリテーション看護」認定看護師が誕生し、私は2012年に資格を取得しました。脳卒中は、突然発症し運動機能障害や高次脳機能障害などを残す方も少なくありません。これまで、多くの患者さんと出会い、「歩く」「話す(コミュニケーション)」「(口から)食べる」「トイレで排泄する」「睡眠」は、生きていく上で重要であり、その人らしく生きる一歩であることを学び、私が看護をする上で、一番大切にしていることです。
何かで「看護師が寝たきり患者を作ることもある」という言葉を目にしました。この言葉と脳卒中看護の道に導いてくれた患者さんは私の原点です。これからも、急性期から「生活の再構築」を愛言葉に患者さんとそのご家族に寄り添える看護師であり続けたいと思っています。
ブログ担当:U